第4回 日本人に深く根付いている正座

掲載日2015/04/18
著者橋詰 康子
イラスト中理 柴
 いまや日本で深く根付いている正座。お葬式など、ことあるごとに、正座を求められる時が多いですよね。そんな正座が、実は日本で受け入れられるようになったのが、近世以降だった、ということ、知っていますか?それまでは、正座といっても胡座を指すことが多かったのです。今回は、そんな正座と日本人の関係について迫っていきます。
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  • 和歌を詠む際は正座じゃなくてはいけなかった?
  •  歌人として有名な藤原定家(1162~1241)が、そう定めているのは、著作である「毎月抄」(1219)で明らかになっています。

    「まず坐を正しくしなくては歌を詠んではならない。」

    と書かれているのです。しかし実はこの時期の正座というのは、我々になじみが深いそれとは違うのですが、当時から「坐を正しくする」という言葉が出てきていることは確かです。

  • お茶の席での正座は昔から?
  •  日本で茶道を広めた千利休(1522~1591)です。その茶席では常に正座をしている、という印象を持たれている方が多いと思いますが、実は、茶席では3段階で座り方が違うのです。手前を行う時は立膝、そして窯のふたを閉める時のみ正座、そしてお茶を飲むときにはまた立膝、とされています。今の時代では、ずっと正座でお茶をたてて提供する、というイメージが強いですが、実は当時は違っていたのです。
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  • 剣道の時の正座ってどんなもの?
  •  日本人になじみが深い剣道。みんな姿勢を正して、凛として座っている風景を見ることも少なくはありません。実はこの剣道の際にする正座は、作法が厳しいものなのです。立ち方、座り方共に作法が決まっていて、正しく座る、もしくは立つことが重要になってきます。昔は刀の下げているのが右だから、ということから、「右座左起」という正座の方法が一般的でしたが、今は、「左座右起」という逆の方法が用いられています。ちなみに「左座右起」とは、左足から座り、右足から起つ、という正座のことを、「右座左起」とは逆に右足から座り、左足から起つ正座のことを言います。
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  • ほかのスポーツも一緒の正座なの?
  •  正座を基本とするスポーツで、他に柔道、合気道、空手、弓道などがありますが、実はすべて同じ座り方をする、というわけではありません。合気道、弓道では「右座左起」だったり、男女で座り方が異なったりと、さまざまです。それぞれにきちんと理由があって正座方法が異なるのです。

     いかがでしたか?正座について、また一つ知識が増えた、と思っていただけたら幸いです。日本人になじみの深い正座も、突き詰めていくといろいろなことがわかります。ぜひ気になったことがあったら、調べてみてください!

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