掲載日:2018/07/22

WHAT IS 正座!?

第15回 下駄をはくと本当に踵座は楽になるのかを実証しました

著者橋詰 康子
イラスト時雨エイプリル
 今ではあまり馴染みが無くなった「下駄」や「草履」と言った和靴。確かに洋靴の方がデザイン性も高いですし、歩きやすさも抜群なためわざわざ和靴を選んで出かけるという人は少ないかもしれません。

 しかし一方で、第14回目でも紹介した通り、下駄は時代に沿って発達してきた座具としての役割もあります。特に踵座をするときは下駄が適しており、ストレスが軽減されるということを前回紹介しました。しかし本当に下駄を履くと踵座は楽になるのでしょうか? 今回はこの疑問を実際に検証していきたいと思います。

・スニーカーで踵座をしてみると・・・?
 まずは履きやすさと歩きやすさが抜群のスニーカーを履いて踵座をしてみました。サイズがぴったりのものを履いて行ったのですが、踵座をすることで靴が足の位置に沿って曲がってしまい、足に圧迫感を感じます。また、前のめりになると靴にしわが寄ってしまい、その分靴がかかとから脱げそうになってしまいました。踵座がしにくい、というまではいきませんが、続けると足が厳しいかもしれません。

・かかと5センチ以上のハイヒールで踵座をしてみると・・・?
 続いては、かかとが5センチ以上あるピンヒールのハイヒールを履いて踵座をしてきました。こちらも普段は履いていて差し支えがないほど足にピッタリとしたものなのですが、踵座をしてみると圧迫感がスニーカー以上にします。エナメル素材のものだから故かもしれませんが、前のめりになることでかなり足に素材が当たってしまい、きつく感じました。また、かかとから靴がずり落ちてしまうこともありました。したがって、瞬間的に踵座をするときは不可能ではないですが、ハイヒールは長時間踵座を続けるには不適切と言えます。

・裸足で踵座をしてみると・・・?
 一方で、靴を履いていない状態、つまりは裸足で踵座をしてみるとどうでしょうか。裸足の場合、スニーカーやハイヒールを履いていた時のような圧迫感を感じることはありませんでしたが、バランスをとりにくく感じました。私の場合は、踵座をしていると少しよろめいてしまうこともあります。きつく感じることはありませんが、バランス感覚があまりよくない人は長時間続けるのは厳しいかもしれません。

・下駄で踵座をしてみると・・・?
 最後に下駄を履いて踵座をしてみました。下駄は今回試したほかの靴と違って足全体をカバーしているものではないので、踵座をするときに感じた圧迫感はほぼ0です。また、つま先の方を支えてくれるので、踵座をすることで下駄がずり落ちてしまうという感触も全くありませんでした。これならずっと踵座していても、足に違和感なく過ごせることが期待できます。下駄になれていない人は、歩くことで鼻緒が擦れてしまい、靴擦れを起こすことも多いようですが、踵座をするにあたってはそのような心配もなさそうです。スニーカーやハイヒールと比べて、安定感もなさそうに見える下駄ですが、踵座をするときには抜群の使いやすさや安定感を発揮することもわかりました。

・まとめ

 いかがでしたか? 現在は下駄に馴染みがない人も多いかと思いますが、踵座をする場合以外にも、もしかしたら下駄が大活躍するときがあるかもしれません。ぜひ興味がある人は実証してみてください。


参考文献
矢田部英正(2011)『日本人の坐りかた』集英社新書.