日本正座協会

[ホーム]

小話

正座の起源

正座の歴史中国で唐の時代(618〜907年)に正座が正しい座り方となり、そしてすぐ廃止となりましたが日本に伝わったという説があります。現存する畳の最も古いのは奈良時代(710~794年)の物であり、この説は有力かもしれません。
室町時代(1336〜1573年)に茶道の正式な座り方として使われていました。茶道の他には神前・仏前の礼拝など特別な儀式の時と限られていました。
江戸時代(1603-1867)に入り小笠原礼法により徳川家で正座が正式な座り方とされましたが当時は目下の者が目上の者に対してする座り方でした。正座が正しい座り方と一般的に広まったのは江戸時代中期以降に畳が普及してからです。一般的に広まってから300〜400年ぐらいの歴史ということになります。
正座という言葉が初めて使われたのは第二次世界対戦(1939-1945)前の「修身の教科書」です。それまでは「端座」という言葉が使われていました。正座という言葉が使われだしてから100年も経っていないことになります。

「正しく座る」と書いて正座

普通は正座というと普通は膝を曲げてかかとの上にお尻を乗せる座り方のことを言います。
また、正座という言葉は「正しく座る」と書いて正座となります。このため、「正しい座り方」という意味で正座という言葉を使われる場合も時々あります。
例えば、「韓国の正座は立て膝である。」といった場合は「正座という座り方」のことではなく「正しい座り方」の意味で使われています。
しかし、「日本の正座は正座である。」というふうに2通りの意味の正座を混ぜてしまうとわかりにくくなってしまいます。
この場合は「日本の正しい座り方は正座てある。」というふうに言います。

しびれ

一般的にしびれというと、ビリビリ(又はジンジン)する感覚、動かせなくなる、触っても感じなくなる、等のいろいろな意味があります。
普通は正座をしている時にしびれたと言った場合のしびれは、ビリビリすると言った意味で用いられています。

足が短くなるといううわさ

日本人は正座をするため外国人と比べて足が短いといううわさがあります。
正座をしている時は足の血行が悪くなるため小さいころ正座をよくしていると足が成長しにくくなるような気がします。
しかし、今は正座と足の長さには関係がないといわれています。
立ち上がる時に筋肉を使うため、立ったり座ったりを繰り返していると足が太くなることはあるそうです。
最近、平均身長や足の長さが伸びているのは正座をしなくなったためではなく栄養の取り方がよくなったためです。
また、正座によるO脚のため、足の長さは変わらなくても短く見えることもあるかも知れません。(O脚の原因はほとんどがぺちゃんこ座りです。)

膝痛

昔、日本は外国と比べると膝痛になる割合が少なかったのですが、最近日本で膝痛になる人が増えてきています。
この原因は最近日本では正座をしなくなったためと言われています。
正座というと膝を無理に曲げているため膝にはあまりよくないように思われます。
しかし、日常生活では正座以外に180度膝を曲げることはほとんどありません。
この膝を曲げている状態が減っているため膝痛になる人が増えていると言われています。

背筋

いろいろな座り方がありますが最も背筋が伸びている座り方が正座です。
正座は椅子に座っている時よりも背筋が伸びているため腰痛、肩こりに一番良い座り方です。
また、あぐらは背筋が曲がっている座り方ですが、お尻の下に座布団を2つ折りにしたものを敷くと背筋が伸びます。

O脚

普通に正座をしているとかかとを開いているため、膝から下が歪んでしまいO脚の原因になってしまいます。
O脚になりにくい正座は、両足の親指の付け根の部分をつけ、かかとも開かずに付けたままお尻をおろして正座をします。
このように正座をするとO脚にはなりにくくなりますが、すぐに足がしびれてしまいます。

正座が出来ない時

訪問先などで和室に通された場合、正座をするのが礼儀正しい座り方です。
正座以外の座り方ではお行儀が悪いと思われてしまう場合もあります。
しかし足を痛めたりしていて正座が出来ない時もあります。
骨折をしていてギブスをしている場合は相手の方もわかってくれますが、外見からではわからない膝の痛みなどもあります。
こういう時は事情を話して足を伸ばさせてもらいましょう。

服装による注意

正座をしていると足の後ろ側、足の甲、かかと、すねの部分などが赤くなってきます。
長い時間正座をした後は、服装によっては立ち上がった時に赤くなった部分が見えてしまうため注意しましょう。

格闘技で座る時と立ち上がる時

柔道や剣道などの格闘技で正座をする場合は、座る時は左の膝を先に床につけ、立ちあがる時は右の膝を先に上げるようにする方が多いです。
これは、昔、刀を収める鞘(さや)は右利きの人は左の腰に付けていたため、敵がいつ来ても刀をすぐに抜けるように、座る時も立ち上がる時も右の膝が上がっているようにしていたためと言われています。

日本正座協会