[188]第6回 正座と現代の洋服について
発行日:2015/08/17
タイトル:第6回 正座と現代の洋服について
シリーズ名:WHAT IS 正座!?
シリーズ番号:6
分類:電子書籍
販売形式:ダウンロード販売
ファイル形式:pdf
販売価格:100円
著者:HASHI
イラスト:中理 柴
販売サイト
https://seiza.booth.pm/items/3148276
本文
今の時代、いえ昔から正しい座り方といわれていた正座。しかし、現代にいたるまで、さまざまな紆余曲折があったことは、前回までの説明でご存知のことかと思います。正座と一概に言えども、時代によって受け入れられたり受け入れられなかったりと、さまざまにありました。そこで、今回は、正座と人々の服装の移り変わりについてご紹介していきたいと思います。
そもそも正座が日本で定着する基となった「茶の湯」が日本に来たのは、16世紀から江戸時代ごろとされています。第1回の時にも延べましたが、それは千利休によるものです。しかし、そのころの「正しい座り方」という意味の「正座」というものは、必ずしも今の「正座」を指しはしませんでした。それは胡座に近いもので、千利休の当時の写真をみれば一目散にわかります。
そこで、何がいまの正座を創り出すものになったのか、それは江戸時代に、反物の寸法を厳しく整備したことにあります。そういったことによって、女性を中心に身幅を狭くすることを強要されました。そうして、今の膝を合わせて座るという「正座」の座り方が定着したとされています。
胡座もかけなく、足を自由にできない、ということで、女性の価値観は変わっていきました。次第に、足を閉じて、慎まやかにすることに美意識を感じるようになっていったのです。
そうして明治時代になるにつれて正座の浸透率は上がっていきます。学制の中でも小笠原流が定着することで、正座の社交性が上がっていったわけですね。当時は着物が主流というか、着物しか民衆は来ていませんでしたので、反物の寸法を狭まれるにつれ足を閉じる必要があったわけですが、今は洋服が主流なので、さまざまな種の服を選ぶことができますよね。なので、その洋服についても触れておきます。
現代人が、洋服を着て正座をする際、特に女性が注意すべき服装があります。まず、太ももがかなり露出してしまうような丈の短いスカートです。このようなスカートをはいていると、正座をした際、下着等が、見えてしまう可能性がありますので、注意が必要です。次に、きつめのタイトスカートです。これを着ている場合に正座をすると、めったにあることではありませんが、破けてしまうこともあります。なので、きつめのタイトスカートではなく、ゆったりとしたものを選ぶようにしましょう。いま挙げた二つの例は、女性にとって自分を傷つける行為でもありますし、相手に不快感を与える行為でもあります。ぜひ避けていただきたいことです。
また、男性でも女性でも、あまり体に合ったズボンはやめておいた方が良いです。身体のラインが如実に出ますし、足もしびれやすいので、オススメはしません。
いかがでしたか?服装は実は座り方で左右していきます。自分が楽だからといって、それが周りの方に良いように見えるとは限りません。時代と共に、座り方も衣服の有様も移り変わってきたのです。ぜひそのことを念頭に、正座をするときは服装に気を付けてみてください。