[192]第10回 日本の武道と正座の関係性


発行日:2016/08/07
タイトル:第10回 日本の武道と正座の関係性
シリーズ名:WHAT IS 正座!?
シリーズ番号:10

分類:電子書籍
販売形式:ダウンロード販売
ファイル形式:pdf
販売価格:100円

著者:HASHI
イラスト:中理 柴

販売サイト
https://seiza.booth.pm/items/3148293

本文

 日本にはたくさんの文化がありますが、その中でも昔から若者にも親しまれているものとして、武道があります。
 剣道、弓道、空手、合気道など様々にありますが、その中でも剣道に至っては第二次世界大戦後GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)により学校武道、警察剣道等が禁止されていました。全面的に抑圧をうけていた武道でしたが、1954年には学校体育教育の一環として認可されると、また多くが親しまれるようになりました。小さい時から親の教えで習い事として取り組んだり、中学や高校で、部活として精を出したりした覚えがある方も、少なくはないと思います。

 そんな日本の武道と切っては切れないものとして、正座があります。「礼に始まり礼に終わる」とまで言われるほど儒教色が強い今の武道では、人々は取り組む前に正座をすることによって精神を落ち着かせています。正座は武道には欠かせないものなのです。

 剣道では、左座右起と呼ばれる正座の仕方が親しまれています。左側の足から座り、右の足から起つ、という仕方の正座の所作のことです。

 逆に、弓道では右座左起と呼ばれるものが取り入れられています。これは、右の足から座り、左の足から起つ、という正座の所作のことを言います。これは、上座とされる神棚の位置により左右されるものですが、基本的にはこの所作が取り入れられています。
 これらにもわかるように、剣道、弓道の二つも見ても正座の仕方は変わってきます。武道において正座はまさに「礼」のことを言い、空手でも礼を尽くすため、きちんと正座をし精神を落ち着かせるという時間が5~30分間あります。

 その中でも「座礼」というものが昇級試験において試されることがあります。座礼とは座った状態の礼のことで、立った状態から正座をし、礼をして、立ち上がるという動作を確認されます。座り方、礼の仕方、立ち方にそれぞれ決まりがあるのです。その際、右足と左足の間隔は拳一つ分空け、足の付け根をそろえているかが見られます。


 対して合気道には、正座とは別に跪座というものがあります。これは、正座の状態からつまさきをたてる体勢のことを言います。正座は、合気道では座り技呼吸法の練習や道場で座っているときに求められる姿勢です。

 いかがでしたか? 剣道、弓道、空手、合気道においての正座をご紹介しましたが、実際にやったことのある人でないと、実感はわかないのかもしれません。大事なことの前など、精神を落ち着かせたいときに、武道に倣って正座をしてみるといいかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。

あわせて読みたい