正座をしつけたい


掲載日:2001/02/17
投稿者:かずし(島根県45才男性)

○もっとも幸福な羊たち
 ゆるやかな起伏を持ったイングランドの大地、その丘からは、はるか遠くまで展望が持てるはずです。
 いきいきとした緑、温暖な気候、四季の変化、そしてその中に点在する人間共の品のいいレンガ造りの家。
 この風景の中で育つ羊たちは、世界でもっとも幸福な羊にちがいないと通りすがりの外国人には思える。
 日本の山深い山の鮮やかな紅葉を見て、日本の着物の色彩の原形がここにあると思うように、生垣に囲まれたフィールドが広がる展望の前では、イギリスでパッチワークの伝統がなぜうまれたのか、そしていかにイギリス人がそれに親しみを持っているかがわかるような気がする。

○フィールド文化について
 フィールド文化こそ、西欧文化の根っこだと、私は思います。
 好んでフィールドを楽しめる生活環境を持たない国に、西欧の個人主義精神が育った例は、どこにもないと思います。
 イギリスが多くのスポーツの発明国であるのは、だれよりもこのフィールドが好きだからです。
 フィールドが単に仕事の場のみではなく、楽しみの場でもある。これが西欧と東欧やアジアとのちがいです。
 あふれんばかりの緑のフィールド空間のある国とそのような自由な緑の空間が、都市にしろ、田舎にしろほとんどない国とでは、両者の間には、生活環境とい大きなハードルがあるのです。
 そしてこの生活環境というハードルこそ、日本の西欧化の敗因になると思います。
 イスやソファーの子供部屋で、子供が西欧人に近づけると考えてはいけません。西欧人は、家の中ではなく、家の外で育つのです。

○西欧文化と江戸文化の共通点=歩くことを楽しめることと正座をしつけること
 ついこの前まで、アジア、アフリカを支配し、彼らを奴隷や召使のように使っていた西欧人。
 しかし、極東に一ヶ所だけ、西欧の植民地支配を逃れ、独立を保った国があった。それが日本です。
 この国は、その知的レベルの高さゆえに、西欧諸国に習って、アジアの植民地化に加わっていった。
 現在、日本は、アジアで唯一先進国と言われている。

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