第16回 下駄をはくと跪座は楽?それとも窮屈?

掲載日2019/01/20
著者橋詰 康子
イラスト中理 柴
 「跪座」は弓道の世界で、控えている際の正式な座り方として広く浸透しているようです。具体的には正座の状態からつま先を立てて、かかとでお尻を支えるという座法で、「踵座」とは違って膝を床につけることが特徴の一つと言えます。膝を付けることでバランスがとれるので、踵座よりは一見すると楽そうに思えますが、実際はどうなのでしょうか?今回は、前回と同じく裸足の状態と“下駄” “ハイヒール” “スニーカー”の3つの種類が違う靴を履いた状態で「跪座」をする際にどんな違いがあるのか実証していきたいと思います。

・裸足で跪座をしてみると・・・?
 まずは裸足の状態で跪座をしてみることにしました。正座と違って跪座はつま先を立てて座るため、足の甲が柔らかくないと厳しそうだなと思っていましたが、案外スムーズに行うことができました。靴を履いている状態よりも格段楽だったように思えます。

・スニーカーで跪座をしてみると・・・?
 次にスニーカーを履いた状態で跪座をしてみました。比較的柔らかな素材のスニーカーを履いて実践したのですが、跪座の際に足の甲が圧迫され、少し苦しい印象を受けました。しかしそれ以外は支障はなく、比較的安心感を持って跪座の姿勢に落ち着いたように思えます。

・かかと5センチ以上のハイヒールで跪座をしてみると・・・?
 ハイヒールでの跪座はどうでしょうか。前回のように少し辛い姿勢になるかな、と思っていたのですが、案外楽だったことに驚きました。しかしスニーカーの時と同様に、足の甲には圧迫感を受けてしまいます。それどころかこちらのハイヒールの靴はスニーカーよりも硬い素材となっているので、それなりに強い圧迫感は受けました。しかしバランスを崩すようなことは無かったように思えます。

・下駄で跪座をしてみると・・・?
 最後に下駄を履いて跪座をしてみました。前回の踵座の時は下駄が一番やりやすかったように感じましたが、跪座の場合はすこし怖い印象を受けました。というのも、しゃがんだ状態から膝を床につける際に、下駄の歯と呼ばれる下の突起部分が床から離れることでバランスが保ちにくかったのです。跪座をしてしまえばほかの靴とは違って圧迫感もないので楽ではあるのですが、座る前に気を抜くとバランスを崩してしまいそうになりました。ちなみに跪座してからは鼻緒が足の指から甲を引っ張り、支えてくれるため、楽なうえ長時間の維持もできそうな印象を受けました。

・まとめ

 跪座は踵座と違って、下駄だから楽に座れると言うものではないように思えます。もちろん個人差はあるかと思いますが、もしかしたら下駄よりも草履などの歯がない履物の方がバランスも崩れにくく、楽に姿勢を維持できるかもしれません。興味がある方はぜひ一度試してみてください!

参考文献
丁宗鐵(2009)『正座と日本人』講談社文庫.

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