雪国と正座
掲載日:2012/01/29
投稿者:コニー(秋田県女性)
私の住む秋田県横手市はとても雪深い所である。冬は屋根に雪がたくさん積もって屋根の雪下ろしが大変である。毎年雪おろしで下に落ち怪我をしたり亡くなる方が絶えない。雪下ろしする前は真剣に神棚や仏壇に正座して事故が起きないように手を合わせ祈らざるを得ない。雪深い里で伝統として行われてるものに秋田の男鹿半島のなまはげがある。鬼の面をかぶり、みのを着たなまはげが、子供の居る家に行き<泣く子は居ないか、親の言う事聞かない子は居ないか>といって暴れる。家の主人は、なまはげをなだめてなまはげに正座して酒やごちそうを振舞う。男鹿半島に伝わる冬の風習だ。横手にも伝統として伝わる冬の小正月の行事のかまくらがある。雪で作った雪洞の中に祭壇を設けて水神様を祀る。かまくらの中で子供達が正座しておもちを焼いたり甘酒を準備し、「おいでませ」と言って中に入って休んでくださいという。春を迎えるまでの長く厳しい雪国の暮らしだがこうした伝統を重んじまた楽しみ春を待ちわびて暮らしてる。私が子供の頃は雪合戦や家のそばに雪の山を作りスキーやソリで遊んだり雪でおままごと遊びをしたが今はそういった光景は全くみない。代わり行く時代を寂しく思う。