[164]第5回 正座と健康、エクササイズ


発行日:2013/11/24
タイトル:第5回 正座と健康、エクササイズ
シリーズ名:とりあえず座れ
シリーズ番号:5

分類:電子書籍
販売形式:ダウンロード販売
ファイル形式:pdf
販売価格:100円

著者:かねしろさく
イラスト:林 加奈子

販売サイト
https://seiza.booth.pm/items/3131606

本文

 若い頃、それこそ学生時代なんかは不健康なほうがかっこいいと思っていた。お人形さんみたいに血の気のない青白い肌に憧れたり、寝ずに遊んだり、毎晩飲み会をしたり、ダイエットとか言ってちょっとしかご飯を食べなかったり……。映画や小説に出てくるような、けだるい雰囲気の退廃的な美人の真似をして煙草を吸ってみたりしたこともある。
 しかしついに健康というやつは失いかけてみてはじめてその重要さがわかるというか、不摂生の結果が如実にあらわれる歳になってきた。肌や体型は日々の生活の積み重ねだし、振る舞いの美しさはすなわち生活の美しさとも言える。大人の綺麗の条件は健康的であることだ。夜型生活で朝がだるい、不摂生で疲れやすいと、毎日の出会いや移ろう季節や自然の味わい深さを見過ごしてしまうかも。

 そこで今回は「正座と日本人」から、正座が健康へどのような影響を及ぼすのか見てみよう。

 体型や体質によって、正座に向く人と向かない人がいるらしい。

 まず向いている人の特徴は

  • 低血圧
  • やせている
  • 胃下垂、および胃腸が弱い
  • 冷え性
  • 朝は調子が悪い
  • 疲れやすい

     そして向いていない人の特徴は
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 下肢静脈瘤がある
  • ロングフライト血栓症になりやすい
  • 動脈硬化や脳血栓など、血管病変がある
  • 関節が悪い
  • むくみやすい
  • 筋肉質
     そして正座のメリットとデメリットも合わせてチェックしたい。

     メリット
  • 集中力が高まり精神が充実する
  • 眠気が覚め認知症を防ぐ
  • 心臓、肺、横隔膜など内臓の負担が軽くなる
  • 消化力が高まる
  • 肥満やメタボリック症候群を防ぐ
  • 膝の周辺の靭帯や筋肉が強く、かつ柔らかくなる
  • 股関節、膝関節、足関節の三つの関節の可動域が広がる

     デメリット
  • 足がしびれてつらい
  • 関節炎や膝関節症を起こす可能性がある
  • 運動障害を起こすことがある
  • ロングフライト血栓症を招くことがある
  • 脳血栓障害を起こすことがある
  • 腰痛を引き起こすことがある
  • 肩こりを招く
  • 座りだこができて足が外見上美しくない

     自分に当てはまる特徴が多かったのはどちらだろうか。低血圧、痩せ型、胃下垂、冷え性の私はばっちり正座向きのようである。
     この場合の向いている人とは、「正座をするとより元気になれる人」を意味している。たとえば正座による血流の変化で足が暖まるため、一時的に冷え性が改善されるのだ。また、正座をしながら食事をすると消化がよくなる。胃腸の弱い人はぜひ正座でごはんの習慣を取り入れてみてほしい。
     向かない人は自分の体質や体調を確認し、場合によっては正座を控えたほうがよい。しかし今までの生活スタイルや趣味から正座に愛着を持っている人もいるだろう。該当する正座のデメリットから、自分の身体の改善点や気をつけるべき点がわかるので、無理なく正座を取り入れよう。
     また、「正座と日本人」では、誰でも手軽にはじめられる正座エクササイズが紹介されている。それはお風呂に入ったとき湯船の中で正座すること。とくに腰痛がある人には、腰椎が正しい位置に戻るため痛みが和らぎ効果的だ。
     水の中での正座は内臓にとってもっとも負担のかからない姿勢だという説がある。だから赤ちゃんが母親のお腹の中にいるとき、両足を折り曲げ正座に近い体勢をしているのだとか。
     水の中は浮力がはたらくため正座のデメリットもほぼクリアできる。だから普段正座がつらい人でも、比較的楽に正座の姿勢を取ることができるのだ。しかも一日五分程度でよいのでとてもお手軽。
     腰痛のほかにも肝臓や腎臓、胃腸疾患などの内臓疾患にも利く。内臓が弱っていると肌の荒れやくすみの原因にもなるので、美容のためには身体の中から健康になるのが望ましい。毎日のお風呂で正座エクササイズをして、ナチュラルな綺麗を手に入れよう。

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