第13回 正座で白熱バトル!
掲載日 | 2015/03/24 |
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著者 | かねしろさく |
イラスト | 林 加奈子 |
日が長くなってきたとはいえまだ寒い日が続きますね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
私は近頃、将棋をはじめました。我ながら渋い……。

なぜ急に将棋? と言いますと……昨年は仕事が忙しいのを理由に自分の好奇心をちょっと疎かにしてしまったかな、と反省していたから。
だから2015年はなにか新しい趣味を作りたい。それも長く続けられそうな、世代を問わないやつを。できれば日焼けしない屋内でできるもので。
そんなときに、たまたま親しい人から将棋を教わる機会があったので、これ幸いとはじめてみました。
それまでの将棋の印象といえば、着物姿のオジサマが冷静沈着に嗜む高尚な趣味だと思っていたけど。実際にやってみると、意外なほど熱い。対局中は内心阿鼻叫喚、勝ったらガッツポーズしたくなるくらいスリリングな激闘だったりするのです。
しかし将棋には「棋道」という対局するうえでの作法が存在する。それは対局のはじめ方と終わり方、駒をさす指づかいや駒の並べ方、座り方まで、多岐に渡る。
将棋には審判がいないため、棋道はひとりひとりの礼節によって継承されてきた。各々のモラルが大切なのだ。だからガッツポーズは心の中で!
日本正座協会の一員として気になるのはやはり座り方でしょう。椅子に座って将棋をさすところも多いようだけど、やはり和室では正座が基本。将棋のマナーでは胡座も許されているけど立て膝は禁止。


また、近年ではニコニコ動画でプロの対局を視聴できたり、可愛い女流棋士が活躍していたり、楽しみ方も多様である。
さらに将棋棋士は面白い逸話を持つ個性派揃い。将棋のルールを知らない人にとってもクスッときちゃうエピソードがたくさんです。ネット上に読みやすくまとめられているので、お暇があったらチェックしてみてください。
最近は将棋ができるスマホアプリが出ていてどこでも誰でも手軽に対局できる。
すっかり将棋にハマった私は、通勤電車の中でコンピューター対戦の将棋アプリを嗜んでいます。苦戦の末に勝利し、車内でおもわず「うおぉ……」と歓喜の声をあげてしまった経験も。

将棋をはじめて二カ月、私にルールを教えてくれた人、いわば将棋の師匠にはいまだに勝てない。師匠にとっては私もまだまだ若輩者のようです。
夢中になっていると気づいたときにはすごく足が痺れている。元茶道部である私のほうが正座の耐久力は上かもしれない。
「ちょっと待って、足が……」
と畳に崩れ落ちる師匠の姿を勝ち誇った顔で眺めるのです。いつかは対局で勝ちたいものですね。
