忘れ物と正座


掲載日:2009/02/13
投稿者:はたき

小学校3年生になった春の日。
新しい担任の先生は、大学を卒業したばかりの、若くてきれいな女の先生でした。
初々しくて、見るからに優しそうなその姿。

9歳の私には、ちょっと年の離れたお姉さんができたみたいで、毎日学校に行くのが楽しみに思えました。

そんな淡い幻想を抱いたのも束の間。
その先生は、忘れ物をした生徒に授業中ずっと正座をさせて、忘れ物をしてはいけないことを、
体で覚えさせるのでした。
見かけによらず、けっこうスパルタ。

正座というと、当時の教室をぼんやり思い出します。
椅子の座面でノートをとったこと、硬い木の床に正座するとスネが痛かったこと、もう二度と忘れ物はするまいと誓ってもまた忘れてしまうこと。

あの先生は今どこで何をしているだろう?
年を重ねた今なら、正座のお仕置きのことも笑って話せるのだろう。

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