[313]第7回 熱中症にかかりにくいからだ作りに、正座はいかがですか
タイトル:第7回 熱中症にかかりにくいからだ作りに、正座はいかがですか
掲載日:2024/10/14
シリーズ名:まさかの正座で快適計画
シリーズ番号:7
著者:Lisa Kawakami
本文
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まさかの正座で快適計画
第7回 熱中症にかかりにくいからだ作りに、正座はいかがですか
2024年は、例年にも増して暑い日が続いている。
酷い暑さにより、熱中症を患う人も少なくない。
前年を上回る数の人々が熱中症により救急搬送されていると、総務省消防庁が発表する令和6年都道府県別熱中症による救急搬送人員前年同時期との比較を前に、今年の暑さを改めて思い知らされている。
そんな私も、つい最近農作業中に、中度の熱中症で病院に搬送された。
頭痛、嘔吐と脱水、低体温等の症状で、暑さで倒れたはずなのに、異常なほどの悪寒にガタガタ震えながら、看護師さんに布団をニ重にかけていただきながら点滴を落としていただいた。
自分の体か自分の体でないかのような、まるでコントロールの効かない故障した車のような不思議な感覚だった。
ここまで酷い熱中症に罹ったのは初めてだった。
「暑さも寒さも彼岸まで」とはよく言ったものだが、この慣用句はもはや過去のものとなってしまうのではないだろうか。
10月が直前に迫る中、まるで当然のように続くうだるような暑さの中、ついつい不安になってしまう。
しかし、人間はどのような環境を前にも、順応していかないと生きていけない。
今回は、熱中症から身を身を守る一つのアイデアを共有したい。
熱中症は、高温多湿な環境に長時間いることで体温調節機能が乱れ、体内に熱がこもり、軽度であれば、水分や栄養をしっかり補給して、体を冷やして十分な休養をとることで回復はする場合も多いが、頭痛、嘔気、嘔吐、さらには意識障害、痙攣、手足の運動障害などに至と最悪の場合命を落とすこともある。
熱中症は、暑さにより熱中症を感じる症状があればすぐに休息をとるか、場合によっては病院に繋がったほうがいいほど恐ろしいものだ。
一見熱中症とは関係のない話題のように感じるかもしれないが、自律神経を安定させることが、普段からできる熱中症から身を守ることのできる手段の一つだ。
というのも、自律神経は体の機能を調整する神経で、交感神経と副交感神経の二つで構成され、これらが連携しながら、体温、心拍数、血圧、消化、呼吸などの機能を調整する。
自律神経のバランスが乱れると、体の機能を正しく調整できなくなり、さまざまなトラブルが生じる。
自律神経の乱れは、体温調節にも影響を及ぼし、高温多湿な環境下で体温調節をより困難なものにして、自律神経が安定している人に比べて、熱中症を引き起こしやすくなると言われている。
自律神経の乱れの原因は、ストレスや不規則な生活習慣、病気や怪我などさまざまである。
それらの改善が自律神経の乱れを解消するために必要なことであるが、普段からの姿勢を整えることで予防することができる。
姿勢の乱れといって、パッとイメージできるものといえば猫背だ。
猫背は、背骨のS字湾曲が強くなり背中が丸まった姿勢で、筋力低下や姿勢の偏り、加齢などの要因が引き起こし、頚椎や背骨の湾曲が、その周辺の神経を圧迫することで自律神経の働きを悪くし、自律神経の乱れを生む可能性があると言われている。
そこで、紹介したいのが正座だ。
正座は、かしこまった場で選ばれる座り方というイメージがある。正座と聞くと、多くの方が、足が痺れるというイメージを持つことと同時に、キュッと姿勢を伸ばして座るものだというイメージを抱くだろう。
そのイメージを利用して、普段の生活に正座を取り入れることで、骨盤がしっかり立ち、背筋も腹筋も背筋も必然的に伸び鍛えられる。
整った自律神経は高温多湿な環境下でも体温調節をスムーズに行えるよう強い味方になってくれるだろう。
自律神経を整え、夏の暑さに負けないための事前準備に、正座を取り入れてみてはどうだろうか。