[217]第2回 ステイホームの時こそ正座がおススメ


発行日:2022/01/23
タイトル:第2回 ステイホームの時こそ正座がおススメ
シリーズ名:まさかの正座で快適計画
シリーズ番号:2

分類:電子書籍
販売形式:ダウンロード販売
ファイル形式:pdf
販売価格:100円

著者:Lisa Kawakami
イラスト:鬼倉 みのり

販売サイト
https://seiza.booth.pm/items/3603632

本文

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まさかの正座で快適計画

第2回 ステイホームの時こそ正座がおススメ

 昨年から世界各国で猛威を振るう新型コロナウィルスによる感染拡大を防ぐために外出そのものをストップさせるロックダウンであったり、不要不急の外出をやめるよう自発的な注意を促す外出自粛など、世界中の国々でそれぞれに対策がとられている昨今、ステイホームという言葉のように、会社に出勤という形ではなく在宅でオンラインでのコミュニケーションによって仕事を行うという新しい仕事の形というものが誕生した。
 テレビ番組などでも、司会の人が一人で番組を進行させる隣に並べられた等身大のモニターの中でコメンテーターが喋るというように、画面の向こうではこれまで一つの場所でもって複数人の司会やコメンテーターや演者がいてというような常識が、画面の向こうに広がり場所とさらにもう一つ奥にある場所というような、さらに立体感の増した新しい常識に生まれ変わったように感じる。
 コロナによって、世界中が多くのものを失った裏で、価値観であったり、生活様式も大きく変わったのではないかと考える。

 さて、今回お話しさせていただくのは、ステイホームによって生活様式が大きく変わった人の中には、仕事という面において出勤の必要が大幅になくなり、その分パソコン越しに情報のやり取りをする時間が大幅に増えたという人に対して、私自身もそうなのだが、都会にいればいるほど、人は車よりも公共交通機関が便利なので使いやすく、その分歩く歩数も増える。
 1週間を通して見たときに、最も費やす時間が多いのは大抵の人の場合においては仕事であり、仕事というと会社までの往復ということが、ざっと想像できる。これを通勤という訳だが、歩く機会というのは、通勤で最も費やすことになる人たちが、その機会を失えばどうなるのか。
 通勤も道を歩けば階段も上り、日によっては、長時間体制を保持して立っていなければならない。さらには寝坊してしまった日に至っては、全速力の長距離走である。そんな大層な運動を、通勤という活動の中で、人は意識してかせずか行っているのだが、それがなくなるということは、どうなるのかすでにお分かりだと思うのだが、運動不足になってしまうのは一目瞭然な結果である。
 そんな中、ステイホームで気になり始めたお腹周りになどの謳い文句で様々なダイエット法が紹介され、私自身も片っぱしから試しては、日々スタイル維持に邁進する毎日を送っているのだが、そんな私のここ最近の日常を振り返ってみると、新型コロナウィルスでステイホームと言われ出す前と後では、後の方が明らかに自分自身に欠ける時間ではあるが忙しくなった。
 朝起きてコルセットを巻き、さらにネットで仕入れた新しいダイエット法にいそいそ取り組みながら、パソコンに向かって作業を行う。休む時間もダイエット法に注ぎ込む勢いである。
 それが決して悪いことではないが、もう少し時間を有効には使えないものだろうか。そう考えて、ダイエット法を探す容量でネットサーフィンを行なった末、「これだ!」という結論に至ったことについてお話しさせていただこうと思う。


1.室内で座り作業は、姿勢を崩しやすい
 言わずもがな、テーブルやデスクに置いたパソコンを前に作業をすると、人の身体は重力には逆らえず、どんどんと前に屈み気味の体勢になってしまう。たまに、アニメやドラマなんかで、背筋を伸ばしてタイピングを行うというシーンを見たりはするが、あれは結構負荷のかかるしんどい作業で、気を張っていなければ身体はどんどんと前屈みになり、ピンとのびた背中もどんどん猫のように丸く、いつしか萎れたひまわりのように格好のつかない姿になってしまう。
 姿勢を崩したところで、作業さえ進めば特に問題ないのだが、やはり姿勢というのは人の身体には大切なもので、決して侮ってはいけないものなのである。

・姿勢を崩すデメリット
 姿勢を崩すことで起こりうると考えられることとしては、姿勢の崩れから起こる血行の不良による不眠や、アンバランスな姿勢保持のために生じる疲労感や身体の凝り、内臓の位置のズレによる息苦しさや便秘など、あげればキリがないくらい姿勢のを崩すことにいいことなどひとつもないのである。

・姿勢を保つメリット
 一方で、正しい姿勢を保つメリットとしては、姿勢の歪みから生じる身体の凝りや不眠の予防や解消が言われるほか、内臓が正しい位置に収まるため、呼吸であったり、消化であったり、身体の中の環境が良くなることで、健康な状態に導かれやすいと言われている。

 以上のことから、姿勢を保つことの重要性を、お分かりいただけたかとは思うが、では姿勢をどうやって保つのか。意識して姿勢を保つというのも、無理なことではないが、やはりそこに意識が行きすぎて肝心の作業に支障が出てしまうのは本末転倒である。何もなしに、ただ姿勢を保つという動作は、結構体力のいることなのである。
 ではどうやって作業に支障を出さないように姿勢を保てばいいのかについて、お話しさせていただく。


2.どうやって姿勢を保てばいいのか。
 そうやって、姿勢を伸ばせばいいのか、その鍵を握るのは正座なのだ。
 意外と思われるかもしれないが、もともと日本という国において、“正座“という座り方が広まったのはそう遠くない過去からの話で、元々は大陸から渡ってきた座り方だそうで、日本で古くから一般的とされてきたのは“あぐら“や“立膝“であった。その理由としては、一説には畳の普及などがあるとされているが、一般的ではなかった正座がどのような場面で使われていたかについて注目したい。

 正座というのは、当時身分がはっきり分かれていた日本だが、そう言った身分によって、座り方が分かれていたというわけではなく、目下のものが目上のものを前にした際に畏まっているということを態度で伝える姿勢、すなわち座り方であったそうだ。
 それが、のちに世間一般に広がっていき、明治時代には正しい座り方として認められるに至ったと言われているが、このように「かしこまる」という言葉の通り、人はかしこまらなければならない状況になると、自然と背も伸びるもので、実際に正座をしてみると感じていただけるとは思うが、“あぐら“や“立膝“の時に比べて、“正座“をした状態で背筋を伸ばした方が、ピンと背筋を伸ばしやすいのだ。
 そうとわかれば話は簡単、パソコンでの作業など長時間同じ姿勢を保たなければならない状況に置かれた際には、正座をした上で背筋を伸ばせば良いのだ。作業の他に何か決まったルーティンが必要になるわけでもなく、それに時間も気力も体力も費やす必要もなく、至って簡単に行えるというものだ。

3.実際に自分がやってみて
 先に述べさせていただいたように、私自身ステイホーム下での気になり始めた身体の変化に、様々なダイエット法を試すということを行う中で、崩しがちな姿勢を保つために正座を取り入れてみて感じたのは、お腹周りの筋肉を支えているなという実感と、首や肩や背中の凝りがマシになったということである。
 姿勢を崩した状態は、確かに楽なのだが、後々やってくる身体の痛みやだるさ、またモチベーションの上がらなさは、姿勢を正した状態よりも大きく、姿勢を正した状態の方が長い目で見た時に、作業効率が上がるのだということが大きな発見であった。
 また、お腹周りの筋肉が使えているなという点については、背筋を伸ばしている状態では、背筋を伸ばした状態を保つためにお腹周りと、特にみぞおちあたりからう下腹部にかけて上に引っ張ろうとする働きを最も感じた。また、下腹部に関しては、腰からお尻を後ろに引き、背筋をピントはり上半身を上に引っ張ることで、ぎゅっと力が入るので、たるみがちな下腹部にも良い刺激であると感じた。
 ステイホーム下で、作業の合間合間に様々なダイエット法を試みていたときよりも、正座で姿勢を保つことを行うようにしてからのほうが、時間にも余裕ができ作業に向けるモチベーションも保ちやすくなった。
 正座と姿勢保持が良いところは、無理なくながら作業で行える手軽さにあるのではないだろうか。ただし、長時間できない欠点があるのだが、そこも物は考えようで、自宅での自分一人の作業では、休憩という概念が会社など集団でいかつに比べてあやふやになりやすく、なかなか仕事に取り組めなかったり、逆に過集中になり休憩を蔑ろにしてしまったりなりやすい。
 そんな中、長時間行うとどうしても足が痺れてしまう正座は、一定時間ごとの休憩を余儀なくされてしまうため、嫌でも足を崩さざるを得ない時間がやってくる。その時間に姿勢を崩して作業を続けてしまうと、表面的には、楽に感じる崩した姿勢での作業に気持ちが流れてしまい、特に慣れるまでの間なら尚更継続しづらい。
 なので、足が疲れてきたら休憩を取るというふうに、習慣つけることで姿勢だけではなくスケジュールも正しく管理できて、一石二鳥というわけだ。

4.さいごに
 今回は、ステイホーム下での崩しがちな姿勢をなんとか正す一つのアイデアとしてお話しさせていただきました。
 ただでさえ大変な在宅での作業と、姿勢を保ち崩れがちなスタイルを引き締めるためにダイエットに励むのには、それなりの気持ちと体力が必要で、なかなか続かないという私自身の経験から、手軽に誰でも簡単にできる姿勢保持の方法として“正座“をご紹介させていただいたのですが、いかがだったでしょうか。
 江戸中期から明治にかけて徐々に一般的になった“正座“ではあるが、畳からフローリングと生活様式の変化で、だんだんと限られた場所で限られた人によって行われるものや畏まった場所、また反省の証のように、一般的なものからだんだんと離れていってしまっているようにも感じる正座ではありますが、今回述べさせていただいたように、姿勢を保つことや、スタイルを保つなどの場面で、手軽にできるという新しい常識として返り咲く日も近いのではないだろうかと考えます。

 ただでさえ気分が滅入ってしまいそうなステイホーム下の今日、姿勢を保って、スタイルもモチベーションも保って、少しでも気持ちの良い毎日を送りましょう。


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